『光岳』
2020年10月14~15日
今回の『光岳』の登頂は、日本百名山の99座目になりました
『光岳』は、静岡県静岡市葵区と静岡県榛原郡川根本町そして、
長野県飯田市の三市町村にまたがる南アルプス(赤石山脈)南部の標高2592mの山です。
ヒカリダケ、と読むのではなく、テカリダケと読みます。2500mを超える山としては、日本の最南端にある山です。
ライチョウやハイマツ地帯の日本南限でもあります。
山頂付近の特徴的な岩塊が白く光って見えたことから「光石(てかりいし)」と呼ばれるようになり、
そこから『光岳(てかりだけ)』という山名となりました。
山頂は樹林に覆われて眺望はありませんが、山頂周辺にあるセンジガ原の広大な草原や
標高2,540m地点のイザルガ岳からは360度の大パノラマ展望を楽しめます。
南アルプス南部を代表する3000m級の高峰、荒川岳や赤石岳・聖岳はもちろん、
遠くには仙丈ヶ岳を観ることができます。
『光岳』へは、「易老渡登山口」から登るのですが、
2018年の台風21号の豪雨の影響で芝沢ゲート先で林道の路肩決壊・崩落により非常に危険な状態となり、
車両全面通行止めです。
また、2020年7月の大雨の影響で、芝沢ゲート~易老渡間がさらにとても危険な状態となり、
徒歩も通行不可となりました。通る場合は、自己責任です‼
駐車場から登山口まで1.5時間かかります。以前は自転車を使って時間を短縮することも可能でした。
それで、我々も自転車を借りました。
出発2日前に、ユーチューブの映像で確認したら、自転車での通過も難しいと分かりました(^o^;)。
結局、歩行でしか通行出来ない 。
災害により、またいつ通行止めになるかわからないので、通行できる間に行こうと決めました。
10月14日
「易老渡登山口」手前5kmにある標高712mの芝沢ゲ-ト駐車場からスタ-ト。
大きく崩れた2ヶ所の林道崩落箇所は、登山者用に高巻き迂回ル-トが造られていました。
一応虎ロープ張ってありますが、いかにも急造の道。特に最初の迂回路は危ないルートでした。
ガケ崩れの通行箇所は、破れた鉄製の金網を腹這いで潜って、崩れた土砂の上を乗り越えて進みました。
実際に、芝沢ゲートから登山口まで歩いてみると、他に土砂流入、倒木、落石など盛りだくさんでした(^o^;)
がけ崩れ 石が道をふさいいでいます
「易老渡登山口」に到着して、ここから再スタート✋ まずは、遠山川にかかる橋を渡ります。
すぐ植林された針葉樹の森のつづら折りの急登が始まります。
尾根に登ると広葉樹の紅葉が綺麗な尾根の登りになりますが、さらに急登が続きます。
尾根の先端が見えてようやく急登終わりと思いきや、、平らな部分にヒノキの大木が目立つ「面平」があり、
すぐまた次の尾根の急登が始まります。途中心折れそうになります。
倒木が多かったですが、長野県の領域では、倒木を跨ぎやすい様に、木をカットして足置きが作られていました。
標高200mあがる毎に黄色い標識がありました。距離は600mしか進んでいないので、がっかりします。
登山道は狭かった
面平は巨木の森
聖岳
結局、標高700mの「登山口」から標高2354mの「易老岳」までず--と急登でした。
「易老岳」三角点間のやせ尾根が少し危険なくらいで、その他は安全なルートで危険なところは有りませんでした。
静岡県の領域に入って、「易老岳」から「光岳」取り付きのゴ-ロの谷筋までは、
標高差はあまりないもののアップダウンの連続です。
フラフラの足にはかなりきついです。ゴ-ロの谷筋(枯れた沢)登りは、気力で登りました。
「易老岳」頂上真近の転倒注意場所
「静高平」まで登って来ると、水場が2箇所あり豊富に水が出ていました。
光岳小屋の水場は汲みにくい場所という情報があり、ここで給水を、
ペットボトル2本、食事に必要な分だけ汲んで小屋まで持って上がります。
この辺りからハイマツ帯が現れます。
平坦地のセンジガ原を進むと、少し進んだ所にイザルガ岳に向かう分岐があります。
センジガ原の亀甲状土の真ん中に木道が伸びています。
三吉ガレの紅葉
三吉平からは枯れた沢を登る
「静高平」光岳小屋までもう少し
イザルガ岳への分岐部
きれいな光岳小屋に到着
やっと今夜の宿泊先の『光岳』直下の「県営光岳小屋」に到着しました。
光岳小屋は、定員45名 、2020年度は、管理人不在の避難小屋になっていて、自炊のみの対応です。
寝室内部は、木を基調とした作りで大変美しいです。廊下を挟んで対称的に作られています。
客室は2階建て。室内の階段のほか、冬季は外の階段を使って直接2階に入ることもできる。
この日の宿泊者は、私達二人だけで貸し切り状態でした(*^^*)
県営光岳小屋内部 丸太のログハウス調
大きめのライトを灯して、夕飯の支度‼️
コーンスープ、レトルトカレー、ぜんざい、甘酒、コーヒー☕️
その後、マットにシュラフで、睡眠
甘酒も湯せんして飲みました
しかし、寒さと恐ろしいくらいの静寂、夜中は風が強く、窓を叩いていたこともあり、
熊が出ないか心配して(熊が易老岳~三吉平、小屋周辺に出没するため、
クマよけ鈴が必要と言われている)何度も目が覚めました┐('~`;)┌
明日の朝、『光岳』「テカリ石」へ。
下山途中に『イザルガ岳』にも立ち寄る予定です(*^^*)
10月15日
15日の朝5時起床。食事を済ませて、荷物は小屋に置いて身軽にいきます。
光岳小屋から片道15分の『光岳』山頂へ。
天気予報では、今日も晴れですが、この時間帯は、かなりガスっていていました。
根元から折れ曲がったダケカンバの林の中を進みます。そこを通り抜けて、いよいよ、『光岳』山頂です‼
山頂に立てた時、本当に嬉しかった 日本百名山の99座目
色々な山々を思い出しました(*^^*)
日本百名山の99座目
楽しかったり、感動したり、大変な思いをしたことも有りました(^_^;)))
山頂から7分程先の南西側に「光岩 (テカリ石)」という岩峰へ足を伸ばしました。
遠州側から遠望したとき、この岩が白く光って見えるところから、『光岳』の山名がつけられたそうです。
光岩 (テカリ石)
朝日をあびたら、光って見えたでしょうが、今回は白い石と感じました。
ガスっていたので、眺望も悪くて残念でした(/。\)
光岳小屋に戻り支度をして、リュックを担いで下山開始です‼️
往路と同じルートで渋沢ゲートに戻ります(^_-)
センジガ原、天然記念物に指定されている
ハイマツ地帯の日本南限
小屋を出る頃にはガスが消えて、素晴らしい快晴!
光岳小屋から木道を少し歩いて行くと、『イザルガ岳』の分岐点です。
今日は、往復15分の『イザルガ岳』へ行きました。
晴天のイザルガ岳からは360度の大パノラマ展望
標高2,540m地点のイザルガ岳からは360度の大パノラマ展望を楽しめました。
南アルプス南部を代表する3000m級の高峰、荒川岳や赤石岳・聖岳はもちろん、
遠くには仙丈ヶ岳を観ることができました。
イザルガ岳からは富士山も見えました
分岐点に戻り、アップ⤴️ダウン⤵を繰り返して、『易老岳』へ。
今日は、山頂に立ち寄りました。枯れ木の中に有りました。
ここで、お昼ご飯を済ませました。そこから「易老渡登山口」まで、4.8km、急勾配の下り坂を降りていきました。
登山口に着いてもほっと出来ません_(^^;)ゞ駐車場;の有る「渋沢ゲート」まで
5kmの道程をダウンのつもりで(ダウンにしては距離が長すぎます)歩いて行きました。
三吉平辺りの紅葉
光岳小屋・・イザルガ岳分岐・・静高平・・
三吉平・・易老岳・・面平・・易老渡登山口
そして、5キロ歩いて渋沢ゲート。天候にも恵まれて、無事下山完了(^o^)。
『光岳』の登山は、下山中のやせ尾根で、単独登山者とすれ違っただけでした。
人間が踏み込まない、手付かずの自然を味わいました。
この2日間は温かかったですが、3日後(10月18日)は「静高平」より上は雪が降ったそうです。
光岳を振り返る