『光岳』

                                                      
2020101415


今回の『光岳』の登頂は、日本百名山の99座目になりました

 
『光岳』は、静岡県静岡市葵区と静岡県榛原郡川根本町そして、

長野県飯田市の三市町村にまたがる南アルプス(赤石山脈)南部の標高2592
mの山です。

ヒカリダケ、と読むのではなく、テカリダケと読みます。2500
mを超える山としては、日本の最南端にある山です。

ライチョウやハイマツ地帯の日本南限でもあります。

山頂付近の特徴的な岩塊が白く光って見えたことから「光石(てかりいし)」と呼ばれるようになり、

そこから『光岳(てかりだけ)』という山名となりました。

山頂は樹林に覆われて眺望はありませんが、山頂周辺にあるセンジガ原の広大な草原や

標高2,540m地点のイザルガ岳からは360度の大パノラマ展望を楽しめます。

南アルプス南部を代表する
3000m級の高峰、荒川岳や赤石岳・聖岳はもちろん、

遠くには仙丈ヶ岳を観ることができます。

 

『光岳』へは、「易老渡登山口」から登るのですが、

2018年の台風21号の豪雨の影響で芝沢ゲート先で林道の路肩決壊・崩落により非常に危険な状態となり、

車両全面通行止めです。

また、20207月の大雨の影響で、芝沢ゲート~易老渡間がさらにとても危険な状態となり、

徒歩も通行不可となりました。通る場合は、自己責任です

駐車場から登山口まで1.5時間かかります。以前は自転車を使って時間を短縮することも可能でした。

それで、我々も自転車を借りました。

出発2日前に、ユーチューブの映像で確認したら、自転車での通過も難しいと分かりました(^o^;)。

結局、歩行でしか通行出来ない 。

災害により、またいつ通行止めになるかわからないので、通行できる間に行こうと決めました。

 

1014

「易老渡登山口」手前5kmにある標高712mの芝沢ゲ-ト駐車場からスタ-ト

大きく崩れた2ヶ所の林道崩落箇所は、登山者用に高巻き迂回ル-トが造られていました。

一応虎ロープ張ってありますが、いかにも急造の道。特に最初の迂回路は危ないルートでした。

ガケ崩れの通行箇所は、破れた鉄製の金網を腹這いで潜って、崩れた土砂の上を乗り越えて進みました。

実際に、芝沢ゲートから登山口まで歩いてみると、他に土砂流入、倒木、落石など盛りだくさんでした(^o^;)

がけ崩れ 石が道をふさいいでいます

「易老渡登山口」に到着して、ここから再スタート まずは、遠山川にかかる橋を渡ります。

すぐ植林された針葉樹の森のつづら折りの急登が始まります。

尾根に登ると広葉樹の紅葉が綺麗な尾根の登りになりますが、さらに急登が続きます。

尾根の先端が見えてようやく急登終わりと思いきや、、平らな部分にヒノキの大木が目立つ「面平」があり、

すぐまた次の尾根の急登が始まります。途中心折れそうになります。

倒木が多かったですが、長野県の領域では、倒木を跨ぎやすい様に、木をカットして足置きが作られていました。

標高
200mあがる毎に黄色い標識がありました。距離は600mしか進んでいないので、がっかりします。

登山道は狭かった

   

面平は巨木の森

 

聖岳

結局、標高700mの「登山口」から標高2354mの「易老岳」までず--と急登でした。

「易老岳」三角点間のやせ尾根が少し危険なくらいで、その他は安全なルートで危険なところは有りませんでした。

静岡県の領域に入って、「易老岳」から「光岳」取り付きのゴ-ロの谷筋までは、

標高差はあまりないもののアップダウンの連続です。

フラフラの足にはかなりきついです。ゴ-ロの谷筋
(枯れた沢)登りは、気力で登りました。

   

「易老岳」頂上真近の転倒注意場所

「静高平」まで登って来ると、水場が2箇所あり豊富に水が出ていました。

光岳小屋の水場は汲みにくい場所という情報があり、ここで給水を、

ペットボトル
2本、食事に必要な分だけ汲んで小屋まで持って上がります。

この辺りからハイマツ帯が現れます。

平坦地のセンジガ原を進むと、少し進んだ所にイザルガ岳に向かう分岐があります。

センジガ原の亀甲状土の真ん中に木道が伸びています。
 

 

三吉ガレの紅葉

三吉平からは枯れた沢を登る

「静高平」光岳小屋までもう少し

イザルガ岳への分岐部

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きれいな光岳小屋に到着

やっと今夜の宿泊先の『光岳』直下の「県営光岳小屋」に到着しました

光岳小屋は、定員45 2020年度は、管理人不在の避難小屋になっていて、自炊のみの対応です。

寝室内部は、木を基調とした作りで大変美しいです。廊下を挟んで対称的に作られています。

客室は2階建て。室内の階段のほか、冬季は外の階段を使って直接2階に入ることもできる。

この日の宿泊者は、私達二人だけで貸し切り状態でした(*^^*)

県営光岳小屋内部 丸太のログハウス調

大きめのライトを灯して、夕飯の支度

コーンスープ、レトルトカレー、ぜんざい、甘酒、コーヒー☕️

その後、マットにシュラフで、睡眠

甘酒も湯せんして飲みました

しかし、寒さと恐ろしいくらいの静寂、夜中は風が強く、窓を叩いていたこともあり、

熊が出ないか心配して(熊が易老岳~三吉平、小屋周辺に出没するため、

クマよけ鈴が必要と言われている
)何度も目が覚めました┐('`;)

 

明日の朝、『光岳』「テカリ石」へ。

下山途中に『イザルガ岳』にも立ち寄る予定です(*^^*)

 

1015

15日の朝5時起床。食事を済ませて、荷物は小屋に置いて身軽にいきます。

光岳小屋から片道15分の『光岳』山頂へ。

天気予報では、今日も晴れですが、この時間帯は、かなりガスっていていました。

根元から折れ曲がったダケカンバの林の中を進みます。そこを通り抜けて、いよいよ、『光岳』山頂です

山頂に立てた時、本当に嬉しかった  日本百名山の99座目

色々な山々を思い出しました(*^^*)

   

日本百名山の99座目

楽しかったり、感動したり、大変な思いをしたことも有りました(^_^;)))

山頂から7分程先の南西側に「光岩  (テカリ石)」という岩峰へ足を伸ばしました。

遠州側から遠望したとき、この岩が白く光って見えるところから、『光岳』の山名がつけられたそうです。

光岩  (テカリ石)

朝日をあびたら、光って見えたでしょうが、今回は白い石と感じました。

ガスっていたので、眺望も悪くて残念でした(/。\)

光岳小屋に戻り支度をして、リュックを担いで下山開始です

往路と同じルートで渋沢ゲートに戻ります(^_-)

センジガ原、天然記念物に指定されている

ハイマツ地帯の日本南限

小屋を出る頃にはガスが消えて、素晴らしい快晴

光岳小屋から木道を少し歩いて行くと、『イザルガ岳』の分岐点です。

今日は、往復15分の『イザルガ岳』へ行きました

晴天のイザルガ岳からは360度の大パノラマ展望

標高2,540m地点のイザルガ岳からは360度の大パノラマ展望を楽しめました。

南アルプス南部を代表する
3000m級の高峰、荒川岳や赤石岳・聖岳はもちろん、

遠くには仙丈ヶ岳を観ることができました。


イザルガ岳からは富士山も見えました
分岐点に戻り、アップダウンを繰り返して、『易老岳』へ。

今日は、山頂に立ち寄りました。枯れ木の中に有りました。

ここで、お昼ご飯を済ませました。そこから「易老渡登山口」まで、4.8km、急勾配の下り坂を降りていきました。

登山口に着いてもほっと出来ません_(^^;)ゞ駐車場;の有る「渋沢ゲート」まで

5kmの道程をダウンのつもりで(ダウンにしては距離が長すぎます)歩いて行きました。

三吉平辺りの紅葉

光岳小屋・・イザルガ岳分岐・・静高平・・

三吉平・・易老岳・・面平・・易老渡登山口

そして、5キロ歩いて渋沢ゲート天候にも恵まれて、無事下山完了(^o^)

『光岳』の登山は、下山中のやせ尾根で、単独登山者とすれ違っただけでした。

人間が踏み込まない、手付かずの自然を味わいました。

この
2日間は温かかったですが、3日後(10月18日)は「静高平」より上は雪が降ったそうです。


光岳を振り返る
 
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